悲しみの190

確かあれは1998年の末の頃だったろうか?
妻の提案でHPオープンに向けて我が家初のpowerPC、powermac4400を導入したばかりの頃のお話。

当時の私はあまりにもハードな「第一線」の職場を自ら退いて、収入だけはやたらいい広島のヒマ〜〜〜な勤務先で日々をすごしていた。
で、勤務先の道路を隔てた斜め向かいはパチンコ屋で、仕事が終わった後、そこでおろすあてもない「貯金」をするのが私の日課であった。
と、そんな時に奇跡は起こった!
何と・・・¥70000円もお小遣いを頂いてしまったのだ。
「悪銭身に付かず」・・・っていうか、そういう泡銭を持っててろくな目にあったことがない私は、その週末家族を引き連れて広島市内のソフマップに向かったのであった。
その頃すでにネットの世界にどっぷりはまり込んでいた私は、その泡銭でpowerbookを買うつもりであった。
DDIポケットの通信カードをすでに所有していた私は、powerbookで「どこでもMacでWEB」を実現するつもりだったのだ。
予算の関係からそのとき私が選んだのはpowerbook540c。
さすがappleと思えるデザインと美しいTFT液晶。
ルンルン気分で家に持ち帰った私は残酷な現実に直面するのだった。
そう・・・PCカードスロットがないのだ!!!(爆死)
ノートパソコンにはどれにもPCカードスロットが付いているはず・・・じゃなっかったのである。
この500系powerbookはいわゆるツイン・バッテリーで、片方のバッテリー・スロットにPCカードスロット・モジュールを挿入すればPCカードが使えるのだが、当時の私はそんなことなんて知るよしもなかった。
たとえ知っていたとしても500系のPCカードスロット・モジュールはレア商品らしく、お〜くしょんでは今でもけっこうな高値で取り引きされているのが現実なのだ。

で、ここが「万年初心者」の強いところ。
何と、私はその540cをソフマップに「返品」に行ったのだった。
どんな理由を付けたのかは忘れたが、その540cよりちょっとだけ高いpowerbookを代わりに買うから・・・ってことで、その無茶な要求は受け入れられたのだった。

で、代わりに連れ帰ってきたのがpowerbook190cs。
これは後に知るのだがpowerbookには元々68KCPUを搭載した「100系マシン」ってのがある。
私が買った190は実は名前こそその系譜を踏襲しているのだが、中身はapple初のpowerPCノート、5300系のローコスト版であった。
残像が残りまくりのDSTN液晶ではあったが、私は高い電話賃とともにモバイルを満喫することができたのであった。

しかし蜜月はそう続かなかった。
本体とACアダプターの接触不良。
これはこの筐体の共通した弱点だということを知ったのはずいぶん後のことだっけ。
やがて充電できなくなった190は「死んだ」。
その後パチ屋で「奇跡」が起きなかった私は、この190を見捨てるしかなかったのであった。

元・190cs


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