Round6;バジリスクへの長き道


「エミュレーター」
その名前を知ったのはずいぶん前だった気がする。
家族用に買った窓95号機で、任天堂の「ファミコン」や「スーパーファミコン」のエミュレーターで遊んだものだった。
当然その時にMacでwindowsを、windowsでMacをエミュレートするソフトもあるらしいことは知ったのだが、Macもwindowsも所有していた私には無用の長物だと思い込んだ。
そのまたずいぶん後で「virtualPC」の類のMac用windowsエミュレーターが製品化されていることを知るのだが、当時私が所有していたMacは非力で、エミュレーターなんぞを走らせることができるとは思えなかった。
第一、仕事にパソコンを使うことのない私にとって敢えてwindowsを使う必要性はかけらもなかったのだから。
(家族が寝静まった後で窓機用エロ・ゲーをこっそりプレイする以外は。)

それからまたまたさらに時間は経った。
「窓機サブノートでモバイル・エロ・ゲーしたい!」という勢いだけで東芝リブレットを「やってもうた!」したのがこのコンテンツの始まり。
そんなある日、私は他所である記事に目をとめた。

「窓機で68K Macをエミュレートする『バジリスク』というソフトがある。」


待てよ、ってぇことは、ほとんど68K Macで作った私の「地下室スタック」が窓機で動くってこと?
しかもMacで最小のPowerBook2400の半分の重量しかないリブレットで動くってこと?!
つまり旅先にリブレットをお供させれば窓機エロ・ゲーだけじゃなく、自作のスタックでも遊べるってこと?!!
すでに窓機エロ・ゲーなんぞにはとっくに飽きて、せっかくゲットしたリブレットを「放置プレイ中」だった私はさっそくその「大いなる野望」を実現すべく行動に移ったのだった。


「Basilisk」

いくつもある日本語の解説サイトには「簡単」の文字が並んでいた。
唯一の問題点としては「68K Macの実機を所有していることが条件」とあったが、そんなもん、楽勝。
第一私の単身赴任の部屋には68K Macなど腐るほど積み上げてあったのだから。
ところが当然ながら事はそう易々とは運ばない。
「簡単」なはずの解説通りにやってるはずなのに、途中で「解説通り」にならなくなってしまうのだった。
所詮は「窓機使い」でない私にとっては個々の手順がどういう意味を持つのか理解できるはずがない。
解説通りにやってうまくいかなかったらそれは「無理」ということであった。
しかも「簡単」なはずの解説、実はあちこちに「これでうまくいかない場合があります」の一文がさりげなく散りばめられているではないか。
で、根性無しの私はあっさりとその「結論」に逃げ込んだ。
「私のリブレットでは何らかの原因によりインストールができないのに違いない。」
その後、いったんは手放したPowerBook2400をわざわざ「OS8.1でハイパカ」するためだけにお〜くしょんで「やってもうた!」私は、自分にとっては絵に描いた餅でしかない「Basilisk」のことを記憶の奥底にこっそりとしまい込んだのであった。

が、転機は思いがけないところからやってくる。
それはここのリンク先、札幌のはまちさんの掲示板、「はまち工房」のスレッドだった。
そこの話題は彼が購入したとか言うLINAXのPDA「ザウルス」(「リナザウ」と略するらしいが)。
なんとそのリナザウで「Basilisk」が走るという。
参照先URLにはそのリナザウで起動するMac OSの動画まで!!

よ〜〜〜し、やったろうやないけぇ!
元々ゴジラ系WEBの友人がオフ会に持ち込んだザウルスに憧れてリブレットを「やってもうた!」した私は再び立ち上がったのだった。
とは言え、前回の失敗から何も学んでいない私にその道が安易なはずはない。
当然ながら同じく途中で挫折。
しかし今回の私はひと味違った。
WEBでいくつかの「Basilisk」解説サイトを漁り片っ端から試してみる。
というのも何故だかサイトによって微妙に手順が違っている気がしたのだった。

そしてある日、それは起こった!
解説通りにセットアップを済ませ、「Basilisk」の「run」をクリックした私は確かに聞いたのだった。
「♪チャ〜〜〜〜ン!」というMacの起動音を。
画面は暗転し、ついにあの見慣れた「システム・ファイルが見つからない」ことを示すフロッピー・アイコンが表示・点滅を始めたのだ。
「やったぁ!」

で、解説書の続きを読む。
「・・・フロッピー・アイコンが表示されれば、後はいつものMacと同じです。」
はぁっ、それだけかいっ?!!
「いつもと同じ」って・・・・まさか「C起動」でもしろって言うんかい?!!!
当然「C起動」なんかできるわけがないのだった。
せっかくここまで来たのにい・・・。
その日すでに半徹状態だった私は混乱した頭で闇雲に「悪あがき」を続けた。
・・・結果、かえって状況は悪化する一方で、再び「Basilisk」のインストールを断念せざるをえなかったのであった。

「もうBasiliskの事なんて忘れよう。私には縁が無かったのだ。」
が、そんな逃げ腰の私をあざ笑うかのように、かのはまちさんがサイトに自らの窓機に「Basilisk」をインストールした画像を公開。

「もうそっとしておいて欲しい。」
しかし腐っても日本男児、今度こそ最後の正直で行ったらんかいっ!
私は三度それに挑戦することにしたのだった。

で、結果はご覧の通りである。
たまたまテキトーに設定を弄くっていたらあっさりとインストールは始まってしまった。
何のことはない、私が参考にした解説には肝心な一文が抜けていたのだ。

バカヤロ〜、ちゃんと手取り足取り教えんかいっ!!

手持ちのシステムCD-ROMは機種依存のものばかりだったので「OS8」のものを使用。
もちろんこれだけでは何も面白くない。
私がどうやって「HyperCard2.3」と自作スタックをインストールしたかは敢えて内緒にしておこう。

ちなみに「Basilisk」では白黒スタックにおける「dissolve」の視覚効果は超遅くてどうしようもないという情報はまさにその通りで、色々「Basilisk」そのものの設定を弄くってみたが改善されることはなかった。
むしろ不思議なことにカラー・スタックでは画面の切り替えに手間取るものの、白黒スタックのそれよりはずいぶんとましである。
実は「OSX」上のクラッシック環境でハイパカを走らせると白黒スタックの視覚効果はいっさい無視され、カラー・スタックのみ正常に作動する。
この不思議な「一致」はただの偶然であろうか??

こうして私の「大いなる野望」は一応は実現したことをご報告して今回のレポートを終えることにしよう。

P.S.
ちなみに同じく「Basilisk」のインストールがうまくいかなくて悩んでいるみなさん、私に解決法を相談するのは無駄足であることをくれぐれも付け加えておく。(爆死)


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